公開日 2022.03.08
青信号は緑色に見えるのに、なぜ「青」と言うのですか?
昭和5年、日本に初めて信号機がついたときは、法令的に緑色と呼んでいました。しかし、新聞紙上や一般の人々の間では、青色信号や青信号といった呼び名が定着していました。これは、色の三原色と同じく赤・青・黄ということで誰にでも理解されやすく、信号の色をこの三色に対比させたのでしょう。また、日本語で表す青の範囲は大変広く、たとえば、青葉、青物など緑のものを青と呼ぶ場合が多く、緑色の信号でも青信号と呼ばれたのでしょう。こうして一般に青信号との呼び名が定着したことから、昭和22年には法令でも青信号と呼ぶようになりました。
押しボタンを押しても、すぐ「青」に変わらないことがありますが、なぜ?
一般に押ボタン信号機は、押せばすぐ信号が変わるようになっています。しかし、系統制御が行われている路線の押ボタン信号が、すぐに変わってしまうとどうなるでしょう。
押ボタンが押されるたびに系統が乱れてしまい、せっかくの系統制御がなんの役にも立たなくなってしまいます。系統に乗ったノンストップ走行できる車群が、押ボタンのために途中で止められてしまう、といった不合理を解消するために、押ボタン信号が押されても系統が乱れる時間帯は信号を変えないようにしています。このため、押ボタンを押してもすぐ青にはならない場合が生じてくるわけです。
夜間など、横から車も来ないのに、なぜ信号で長く止められるのですか?
昼間でも車や人の通りが少ないところでは、押ボタン信号機や半感応信号機をつけて、主道路の交通を不必要に止めないようにしています。しかし交通量の多いところは、主道路と従道路の信号を交互に表示しているので、夜間など横から車が全然来ないのに信号で止められる、といったケースも発生するのです。
信号機があるために、渋滞が起こるのでは?
渋滞の先頭にあるのはいつも信号機ですね。でも、ちょっと待ってください。信号機をつけているために、渋滞が発生するでしょうか。交通量は多いのに信号機がない場合を考えてみてください。主道路、従道路の差がはっきりしている交差点の場合は、主道路の車ばかりが優先的に流れ、従道路から出ることができず、従道路側に渋滞が発生します。また、主・従の差がはっきりしていない交差点では、車がかみ合って走行できなくなります。そこで信号機をつけることによって、車の流れを確保することができるのです。しかし、交差点では主道路と従道路の車が交互に通行するため、路線を走行する交通の処理容量は交差点で低下し、車の量が処理容量を超えると渋滞します。
つまり、信号機のせいで渋滞するのではなく、交差点があるから渋滞するのです。信号機は、確実な交通整理により交通秩序を維持し、渋滞を改善することに役立っているのです。
「信号機なんでも読本」より引用