公開日 2009.06.19
無職 男性 40代
その日、私は家でビールを飲んでいました。夜中の2時ごろに酒が切れ、一旦は寝ようとしたのですが、身体が酒を要求しているためなかなか寝付けず、酒を買いに行こうと起きあがり何の迷いもなく車を運転しました。
コンビニまでの距離はわずか1キロ足らずの距離でしたが、「そんなに酔っていないからこれぐらいは大丈夫だろう」と車を走らせて間もなく後ろにパトカーがついているのに気づきました。その時の私は「あっ、しまった」ではなく「ああ、飲酒運転で捕まるとはこういうことか」と割と平然としていて警察官との対応も冷静な態度でした。これは私がまだ酔っている状態で現実をよく把握していなかったからかもしれません。
一人の警察官に家まで運転してもらいましたが、このように飲酒運転で検挙されたにもかかわらず今度は歩いてコンビニまで酒を買いに行きました。さすがに運転しようとは思いませんでしたが、頭の中は酒を買いに行くことだけしか考えていませんでした。
その当時は、飲酒運転根絶キャンペーンを大々的にマスコミ等で取り上げ始めたころで、私もいろいろな広報誌の制作に携わっていましたので記事をアピールするために誌面をどう工夫するか等の打ち合わせもしていました。そういう身でありながら一方では、酒が止められないで飲酒運転を繰り返していました。挙げ句の果てには摘発され、一時的には反省するものの酒に対しては無力でした。結局その後も酒は止めることはできず、しまいには仕事もできない状態になり、勤めていた職場も辞めざるを得なくなりました。こういうことになったのも、アルコール依存症と診断されながら受け入れることができずに、自分の置かれている状況を客観的に見ることができず、前向きな考え行動ができなかったためだと今は自覚しています。
私は幸い事故は起こしていませんが、だからこそまだ大丈夫だとは思わずに飲酒運転問題を真剣に直視し、法律や社会のルールは守ることによって自分が守られているのだという意識を高めていきたいと思っています。