公開日 2009.05.20
「同じような苦しみや失敗をしないように!」
男性 40歳
私は、会社を経営して10年赤字は一度もなく順調に業績を伸ばしてきた。中学、高校、大学と剣道に励み4段、高校時代全国制覇、 大学時代全日本学生選手権3回出場、法学部 を卒業し文字通り文武両道を歩み、心体共に鍛えてきたつもりでした。
テレビ、新聞でよく見かける覚せい剤事件。子供達には、その度にきつく注意をする。
ある時、ホテルの部屋で21歳の女性と知り合った。バスルームに消えた彼女は10分程して、ストローを口にくわえ、 5cm四方のアルミホイルを持って出てきた。
「お兄さん、強そうだから1回位平気よ」
と言って彼女が目の前で吸って見せる。勧められる。手にとって見る。吸ってみる・・・
「どう?」
「何ともないね、これ何と言うの」 「スピード」 「聞いたことあるね、これがスピードか」
「Sとも言うのよ」 「成分は?」 「覚せい剤」 「エッ・・」
S・スピード・覚せい剤が同じものであることを初めて知る。
この女性は、自分の使用を警察に通報されたくない為に私にも勧めたのであろう。その時、
「悪いけど俺の前では止めてくれ」
と言っておけば、今頃この文章は書いていないはず。
私が自分の静脈血管に覚せい剤の水溶液を注射しはじめたのは、その日から数ヶ月後でした。
「ママ、近くで事故でもあったの?サイレンの音がするよ。」
「ほら、パパの電話が鳴っているでしょう、早くちょうだい、早く持って来なさい。」
「夏でもないのにセミが鳴いているね」
パパ、最近変な薬使っていない?子供達がパパ怒りっぽくなったって言っているよ。今まで飲まなかったコーラ、ガブガブ飲むし。
やはり妻が一番敏感でした。
「まずいな、そろそろ本気にやめるか。マーッ自分はいつでも止められるから大丈夫だ。」
そう思い続けて2~3ヶ月
「今日買ったこれを全部使った止める。」「これが最後の1回だ。」
そう決心した翌日にでも、
「インシュリン用のポンプ1本500円だって、何本買っておく?」
「エッ安い、俺10本注文しておいて」
こういう情報が入ればつい乗ってしまう。
私は、たまたま2回だけある友人に覚せい剤を譲り渡したことが発覚して警察に逮捕された。私の知っているある女子高生は、こう言っていた。
「私ですらやっているのよ。」
「1パケ持って行ったらたちまちヒーローよ。」
覚せい剤の所持、使用は確かに教師や親に知れば天と地がひっくり返った様な犯罪に思えるでしょう。私の第2の犯罪の第1歩だと思います。そして何よりも育ちざかりの青少年の肉体に過大な悪影響を与えるこは、間違いありません。
私のように中学、高校、大学時代の武道で全国優勝するぐらい体力と精神を鍛えた者ですら薬物の前では、なすすべもありません。使用した子供たちは、間違いなく被害者です。 覚せい剤様な物を見たとき、又、覚せい剤様な物を使用していると思われる人が近辺にいる時は、取り返 しがつかない前にまず警察に通報すべきでしょう。
ガン治療の用語のように、早期発見、早期治療のようにいかないものでしょうか。その為には、教育関係者や父兄の薬物に対する詳細な知識が必要かと思われます。
子供部屋の中にやたらストローが散らかっている。
台所のアルミホイルがやけに減りが早い。
水分をよく取る。
サイフ、定期入れの中にアルミホイルが入っていた。
アトマイザー(小さなガラスの小ビン)を2個も3個も買っている。
ミネラルウォーターを2本、3本と買い込む。
ひんぱんに外泊する。家で徹夜する。
一度寝たら、叩いても起きない。
小遣いの使い方が荒い。
親のサイフからお金を・・・・。
最低この10項目ぐらいは、薬物に対する親の知識ではないでしょうか。
薬物乱用者の書いた生の手紙を掲載しました。好奇心から薬物に手を出して止めるのに苦労する。捕まってはじめて気づく。薬物は実におそろしいものです。
薬物犯罪捜査への協力のお願い
皆さまからの通報が薬物事犯の検挙に大いに結びついています。薬物に関する情報を得たときは、たとえその情報が断片的なものでも最寄りの警察署、交番、駐在所に至急連絡して下さい。
麻薬110番 862-1483